発達障害がある(といわれている) ASD 方法③ 国語:説明文の理解が難しい
SMKのお悩みポイント対策
発達障害がある(といわれている)
ASD 方法③ 国語:説明文の理解が難しい
(※ ADHDかASDかは絶対的な違いではありませんが、便宜上、わけて説明しています。)
・こんな傾向はありませんか?(こういうところが見られたら当てはまるかもしれない)
・筆者の主張が読み取れない
・設問の意図がわからない
・説明
九官鳥やオウム、インコの中には、人の話し声をそっくりそのまましゃべるようなものがあります。まるで会話のように続いて面白い一方、お客が来たときに都合が悪いことばを発してバツの悪い思いをしたりします(家庭内での会話がバレてしまいます)。
九官鳥は聞こえてきた音声をそのまま模倣しているだけで、意味を理解しているわけではないのでしょうが、人間でも時に「意味をわからずにことばを発する」ということがありえます。例えば難しい法律文書を読み上げる場面を考えてみてください。漢字の読みさえわかれば文を読み上げることはできますが、さてそれがどういう意味であるのかを明確に理解するためには、それなりの法知識が必要です。
発達障害をもつ人の中にはこれに類似して、教科書を朗読することはできるけれども、必ずしも内容を理解しているとは限らないということが比較的多くあります。さらには、漢字の読みがわからなかったり、どこで区切るかがわからなかったりして、たどたどしい読み方になってしまう場合もあります。朗読するのに精一杯で、何が書いてあったかを理解する余裕はありません。
それでは、先生が読んであげたらどうでしょう。耳からの情報だけではおぼつかなければ、教科書を目で追ってもらってもいいでしょう。一段落読んで、「今のところ、何が書いてあった?」と尋ねてみると、これまた高い頻度で、絶句してしまう子がいます。答えやすいように、と重ねて「誰が出てきた?」と尋ねても同様。教科書を目の前にしていても、です。どうやら「頭真っ白」状態になっているようです。たとえていえば、お経を聞いていたような感じでしょうか。それでも何度か続けていると、徐々に答えられるようになってきます。
ことばの理解には難しい側面があります。声に出して読めるからといって、理解できているとは限りません。「わかった?」と聞いて、生徒がうなずいても、本当にわかっているかどうかは確証できません。大人だって、不動産契約書や経文の内容を自分が本当にわかっていると、どれだけ確信できるでしょうか。
ASDの特性として「コミュニケーションの障害」があげられますが、具体的な現れのひとつとしては、このようなことばの理解の難しさがあります。字面の表面的な刺激にとらわれやすく、その奥にある意味に至ることが難しいようです。挿絵があるとわかりやすくなりますので、挿絵がないときは、先生や生徒自身が絵や図を描いてみるといいかもしれません。
「何が書いてあるのか」を大体読み取れたとしても、「筆者の意見は何か、何が言いたいのか」となると、正解するのが難しくなってくるかもしれません。筆者は、様々な言い回しである特定の意見を主張してきます。それを読み取り、「この人にとってはAということが一番大事なんだ」というその強調具合を察知する必要があります。大体、謙虚にオブラートに包んだ言い回しや比喩で、意見を汲んでもらおうと、書かれてあります。その「膜」を突破して、はっきり、言いたいことは○○ということだ、と看破するのは難しいことですね。
また、内容が読めても、設問の要求がはっきりわからないと答えがずれたりします。典型的な設問はまだよいですが、工夫されているものは、読み取りにくかったりします。よく設問を読んで、何が期待されているのかをキャッチする必要があります。難しい設問は別の言い方に翻訳して誘導してもらうとともに、同じ問題をのちにもう一度解き直して、設問の意味をとり直すと効果的です。
・生徒の対策
①その文を書いた人、何をキミに言いたいのかな。
②段落ごとに、書いてあることをまとめてみよう。
③質問の文が王様です。王様は何を聞いているのかな?
・講師のサポート
①段落ごとに要約してもらう。
②一つの段落に一つ、その段落の一番大事なところに線を引く作業をしてもらう。「まとめてあるところ」が判断できるようにする。
③わかりにくい文章は、フローチャートでまとめて示す。文章内容を示す絵や図をかいてみる。
④設問を翻訳してもらい、何が求められているかを考えてもらう。
⑤数をこなして、パターン化してしまう。こういう時には、こう答える、をインプットする。
・役に立ちそうなリソース
・推理小説:推理小説では犯人が誰かなどを様々なカモフラージュやミスリーディングでかくしながら、最後に論理的に意外性のある謎解きをしてくれます。また登場人物の感情表現がありますし、読んでいる側もドキドキして、感情の理解にも役立ちます。子ども向けにわかりやすく書かれた推理小説がたくさん出ていますし、また謎解きをもとにしたワークブックも出ているようです。試してみてはいかがでしょうか。
・もの当てゲーム:出題者役が、何かモノについて、「それはツルツルしています」などのヒントを言って、回答者がそのモノが何かを当てる、といったゲームです。あるいは回答者が「それはツルツルしていますか?」などと質問し、出題者が「はい」や「いいえ、むしろザラザラしています」などと答える形式でもできます。回答者がチームに分かれて話し合い、チームで勝敗を競い合うというやり方もできます。ことばを使った表現力や推理能力、コミュニケーション能力を高めるのに役立ちます。
愛知東邦大学 人間健康学部 教授 松尾香弥子
SMK 薄井晶
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