発達障害がある(といわれている) ASD 方法① 学校の教室で授業中みんなと同じようにできない
SMKのお悩みポイント対策
発達障害がある(といわれている)
ASD 方法① 学校の教室で授業中みんなと同じようにできない
(※ ADHDかASDかは絶対的な違いではありませんが、便宜上、わけて説明しています。)
・こんな傾向はありませんか?(こういうところが見られたら当てはまるかもしれない)
・先生の指示が理解できない
・次にやることの準備ができない
・集団行動でうまく立ち回れない
・自分のやり方に固執する
・説明
学校の先生から、「お宅のお子さんは集団行動ができません。クラスの和を乱しています」などと言われてしまうと、恐縮してしまいますね。平謝りして「よく言い聞かせます」と答えて、さてそれからどうしましょうか。子どもをただただ叱りつけるのは、単に子どもの心を傷つけるだけに終わってしまいかねず、得策ではありません。
子どもはわざと先生やみんなを困らせようとしているのでしょうか。たしかにそのような可能性もゼロではありません。虐待などの強いストレスがある場合です。その場合には子どものストレスが何であるかを同定し、取り除く作業が求められます。
しかし多くの場合、発達障害に起因する諸問題のために集団に上手に適応できないでいるだけで、決して故意ではないのです。言い聞かせたところで、子ども個人の努力ではカバーしきれない問題であり、周囲の適切なサポートが必要です。
ここにはいくつかの要因が考えられます。まず、先生の説明が理解できないのかもしれません。ことばを理解する脳の仕組みは複雑で、耳から入力された音声は、神経線維を通ってたくさんの脳部位で処理され、最終的に意味の理解に至ります。発達障害のためにこれらの経路のどこかに「発達でこぼこ」があり、伝達に時間がかかったり、あるいは正しい意味理解に至ることができなかったりするかもしれません。いわゆる抽象化能力に困難が発生します。この場合、指示を視覚化して図で表現したり、まわりの人が個別的・具体的に教えてあげたりして、理解を助ける必要があります。「教科書の10ページを開いてください」と口頭で言うだけでなく、黒板にも「10ページ」と書く、などです。
あるいは、子どもは集団活動の意義がわからないのかもしれません。やりたくないことを、なぜやらなければならないのか、その理由がわからないのです。この場合には、その活動をする意義について、その子にわかりやすい表現で説明する必要があります。いやいやでもやってくれるように説得できればよいのですが、もしどうしても納得しないという場合、やむを得ずその時は「見学」してもらう、という方策が妥当かもしれません。強制的にやらせても身につきませんし、無用に集団活動に対する抵抗感を植え付けてしまうことにもなりかねません。
あるいは、発達障害によく見られる「こだわり」のために、先生の指示にうまく従えないのかもしれません。まわりには「わがまま」に映りますが、必ずしもそうと決めつけるわけにはいきません。それにまつわる過去の辛い記憶や、何らかの「感覚の特異性」のために、どうしても受け入れられなかったり、うまく振る舞えなかったりするのかもしれません。理由を尋ねても、子ども自身にも、なぜいやなのか、説明することが難しいのが普通で、よくわからない理由にすりかえたり、怒り出したりしてしまったりします。むりやり強制すると、場合によっては不登校にも結びつきかねず、注意が必要です。
クラスでひとりだけ例外扱いすると、不公平感を訴える生徒がほぼ必ず出てきます。そんなときには、「〇〇さん(くん)にはどうしてもできない事情があるんだよ。もしできるならやっているはずだよ。そのうちきっとできるようになるから、今日は見学してもらおうね」などと、温かく見守る態度を示すとよいでしょう。
ASDの特徴の一つに「コミュニケーションの障害」があげられますが、上記のような要因があれば、コミュニケーションが阻害されるだろうということは容易に理解されます。その子たちにとって、「先生・親・周囲が強制せずに、自分を受け入れ、尊重してくれた」という体験は、心のどこかに必ず残り、後々生きる力となるはずです。
・生徒の対策
①自分の得意不得意を納得しよう。
②苦手なことは、「指示通りにやる」。
③上手くいった経験をだいじにしてそれの真似をしよう。
④わからないことは先生やまわりの人に聞こう。
⑤どうしてもできないときは、勇気を出して、先生やまわりの人に、できないことを理解してもらう努力をしよう。でも、残念だけど、いつも理解してもらえるとはかぎらないことも知っておこう。
・講師のサポート
①何をしてほしいのか、はっきりと具体的に伝える。
②「どうしてわからないんだ。言ったとおりにしないんだ。」と腹を立てない。出来たことを最大限に褒めてあげる。
③具体的、理詰めの指示を心がける。本人自身の気づきを最大限活用するとともに、改善策は理詰めで本人に納得させて真似をしてもらって身につけてもらう。
④生徒に合った段取りを講師の側でセットしてあげる。
⑤苦手なことよりも、得意なことを伸ばす。
・役に立ちそうなリソース
・各種の数人で行うゲーム:スイッチのゲームもいいのですが、ここでは数人で行う、昔からあるようなタイプのボードゲームをおすすめしたいと思います。ともあれまず「集団の活動に参加する」ということをしやすいからです。たとえば「人生ゲーム」はどうでしょうか。何種類か市販されています。結婚して、子どもができて、家を買って、といった、人生の単純化されたパターンの概念に馴染むことができます。子どもたちは柔軟にルールを変更して「ローカルルール」を作るのが得意です。中にはゲームの途中でルールを変えようとする「自分勝手な子」がいて、みんなに非難されたり、まあまあとなだめる子がいたり、集団の中でのさまざまな振る舞いを体験するのに役立ちます。
愛知東邦大学 人間健康学部 教授 松尾香弥子
SMK 薄井晶
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