WISC 生徒の対策と講師のサポート ⑪ WMI >PSIまたはWMI<PSIの差が大きい

query_builder 2023/12/26
世田谷ゼミブログ
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WISC 生徒の対策と講師のサポート ⑪ WMI >PSIまたはWMI<PSIの差が大きい



WMI >PSIまたはWMI<PSIの差が大きい

(→WMI・PSIの関係に注目し、解説します)






〇こんな傾向はありませんか?(こういうところが見られたらあてはまるかもしれない)

・突発的な出来事でも、それほど動揺せず対応できる

・マルチタスクが苦にならない

→WMI優位(かもしれません)  


・即断即決、行動に迷いがないタイプ

・いわゆるルーティン作業が苦にならない

→PSI優位(かもしれません)  


〇説明

【前回までのおさらい】

WISC-Ⅳ検査では、全体的な知的能力の水準(FSIQ)が推定されます。FSIQは、以下の4指標(VCI・PRI・WMI・PSI)に基づき、算出されます。  



言語理解指標(VCI)

言葉を理解する力・表現する力の推定値

知覚推理指標(PRI)

言葉以外の情報から推論する力の推定値

ワーキングメモリー指標(WMI)

耳から聞いた情報を記憶する力の推定値

処理速度指標(PSI)

目で見た情報を素早く処理する力の推定値




先の表の通り、方法②~⑤までは、個別の指標が、具体的にどのような知的能力を推定しているのか、解説してきました。ただし、私たちが普段何気なく行う(知的)活動は、ひとつの指標が独立して働いているのではなく、それぞれの指標同士が相互に関連し合ってもいるのです。

よって、ここからは、指標と指標の関係性に注目していきましょう。今回は、『ワーキングメモリー(WMI)と処理速度(PSI)』の関係について考えてみましょう。  


【WMIとPSIの関係】

WMIとPSIは、“絶えず変化する環境に適応する能力”(Cognitive Proficiency Index :CPI)を示すと考えられています。先述の方法⑥「VCIとPRIの関係」にて取り扱った、“より純粋な知的能力”(GAI)とは対照的に、新規の学習による知識の獲得や、新しい課題解決にあたっていかに知識を応用できるかなどという「認知熟達度」の指標とされています。  


〇生徒の対策

WMI優位の場合:

・短期記憶の得意さを活かそう!  

興味を持った課題は、とことん追求・挑戦してみましょう。時に周囲のやり方やペースが気にかかってしまう場面もあるかもしれません。“周りに足並みを揃えること”ばかり気にするよりは、まずご自身の学習のペースを確立することがより良いように思います。  


・メモをしよう  

授業は楽しく聞けるかもしれませんが、それだけでは記憶から流れて行ってしまいます。聞いていて気になった言葉や、分かったことを、メモしておくと、後から授業の内容を思い出しやすいです。あとでそのメモを見返して、そのメモの内容から思い出すことを書いておくと、立派な要点ノートになります。  


PSI優位の場合:

・知的な瞬発力の高さを活かそう!  

“思考を切り替えること”が上手にできるでしょう。普段から、それほどくよくよ悩んだり、尻込みしたりすることは少ないかもしれません。一方で、その場その場で興味関心が移ろいやすい面もあるように想像されます。勉強に取り掛かる前に、はっきりしたスケジュールを決め、予め先の見通しを持っておくことをお勧めします。  


・スキャニングの力をフル活用!

処理は速いけれど、聞いた情報を処理するのが苦手な方。前もってゲットしたい情報を決めておき、その情報に狙いを定めて、大事なことを聞き取りましょう!  


〇講師のサポート

WMI優位の場合:

・適宜“新奇課題”を導入し、モチベーションアップにつなげましょう!  

基礎基本の学習は必要不可欠ですが、あまりに単調で変化のない課題ばかりでは、勉強そのものモチベーションが低下してしまうかもしれません。適宜、イレギュラーな課題に挑戦してもらうなど、好奇心をくすぐることで、学習に張り合いが生まれるように思います。また、先の生徒の対策でも触れていますが、生徒個人の学習ペースを尊重してあげることも大切かと思います。  


・板書より、手元。  

黒板に書いたことを書き写すことに手間取り、本来の勉強になっていないかもしれません。手元で作業できるプリントで学習を進めましょう。


PSI優位の場合:

・「わかる」「できる」体験で、モチベーションアップにつなげましょう!  

理論や理屈を前提とした学習より、実体験に即した学習のほうに適応があるでしょう。「わかった!」「できた!」と手ごたえを感じられること、またその感覚を指導者と共有できるとより良いように考えます。加えて、学習のスケジュールは、予めしっかりと決め、ルーティンとして馴染ませることで、生活のリズムにもプラスの側面が期待できるかもしれません。  


・説明をするより、作業を覚えてもらいましょう。

ルールがわかれば処理は速い方。ルール把握のための必要最低限の情報提供を心がけます。「わかりやすいように」手を変え品を変え説明を加えるのは効果がないかもしれません。





臨床心理士・公認心理師 堤 梨乃

SMK 薄井 晶








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