WISC 生徒の対策と講師のサポート ⑦ VCI >WMI またはVCI <WMI の差が大きい

query_builder 2023/10/21
世田谷ゼミブログ
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WISC 生徒の対策と講師のサポート ⑦ VCI >WMI またはVCI >WMI の差が大きい



VCI >WMI またはVCI >WMI の差が大きい

(→VCI・WMIの関係に注目し、解説します)





〇こんな傾向はありませんか?(こういうところが見られたらあてはまるかもしれない)


 ・ 何事も論理的に、筋道を立ててから、行動に移す

 ・いわゆる言語的なコミュニケーションが得意(好き)

→VCI優位(かもしれません)  



 ・突発的な出来事でも、それほど動揺せず対応できる

 ・マルチタスクが苦にならない

→WMI優位(かもしれません)  



〇説明

【前回までのおさらい】

WISC-Ⅳ検査では、全体的な知的能力の水準(FSIQ)が推定されます。FSIQは、以下の4指標(VCI・PRI・WMI・PSI)に基づき、算出されます。  



 

言語理解指標(VCI)

言葉を理解する力・表現する力の推定値

知覚推理指標(PRI)

言葉以外の情報から推論する力の推定値

ワーキングメモリー指標(WMI)

耳から聞いた情報を記憶する力の推定値

処理速度指標(PSI)

目で見た情報を素早く処理する力の推定値




先の表の通り、方法②~⑤までは、個別の指標が、具体的にどのような知的能力を推定しているのか、解説してきました。ただし、私たちが普段何気なく行う(知的)活動は、ひとつの指標が独立して働いているのではなく、それぞれの指標同士が相互に関連し合ってもいるのです。

よって、ここからは、指標と指標の関係性に注目していきましょう。今回は、『言語理解(VCI)とワーキングメモリー(WMI)』の関係について考えてみましょう。  


【VCIとWMIの関係】  

私たちは日常のさまざまな場面で、ある情報を処理しつつも、その処理した内容をわずかな間だけ覚えておかなければならないことがあります。例えば、繰り上がりのある計算問題を解く場合です。繰り上がった数字を保持しながらも、次の計算処理を進めなければなりません。このような、処理と保持の過程は、ワーキングメモリーによって支えられていると考えられています。     




上記は、方法④で示した図に、言語理解(VCI)を位置づけたものです。短期記憶と長期記憶については、同回で触れていますが、短期記憶 ≒ ワーキングメモリー(WMI)とすると、長期記憶 ≒ 言語理解(VCI)とも表現できるでしょう。        



〇生徒の対策

VCI優位の場合:

・長期記憶の得意さを活かそう!  

繰り返し見聞きした情報が、身に付きやすいと考えられます。間違った問題こそ、覚えるチャンスです。何度も何度も、反復して挑戦してみましょう。また、一度にたくさんのことを吸収しようとはせず、ペースは一定に、コツコツ続けることが望ましいでしょう。  


・すでに知っていることと関連付けて新しいことも覚えてしまおう!  

新しいことや、覚えにくい事柄でも、何か知っていることと関連付けると覚えやすいです。すでにたくさんのことを知識として習得しているあなたは、「あれはこういうことだったけれどもこれも似ているな」、とか、「あの事とは真逆だな」と思いながら学習すると、さらに新しい知識が習得できます。

   

WMI優位の場合:

・短期記憶の得意さを活かそう!  

興味を持った課題は、とことん追求・挑戦してみましょう。ただし、“それっきり”にはならないよう、できるだけ「言葉にして残しておく」ことも大事ですよ。  

・意識して、反復練習にたくさん取り組もう!  

ワーキングメモリがすごいあなたは、反復を心がければきっといつまでも記憶に残るはず。その言葉や記号に関連する事柄をイメージしながら反復すると、より記憶に残って忘れにくくなりますよ!    



〇講師のサポート

VCI優位の場合:

・反復学習に馴染ませましょう!

基本的には反復学習にこそ適応があります。生徒の求めに応じ、繰り返し言葉で説明する、間違えた問題は何度も挑戦する、などがより良いでしょう。  


・口頭の言葉を用いて説明する。  

耳にした言語情報に対する感受性が鋭いです。図表やモデルで示された事柄が分かりづらければ、会話調でインプットすると入りやすいです。  


WMI優位の場合:

・適宜“新奇課題”を導入し、モチベーションアップにつなげましょう!  

基礎基本の学習は必要不可欠ですが、あまりに単調で変化のない課題ばかりでは、勉強そのものモチベーションが低下してしまうかもしれません。適宜、イレギュラーな課題に挑戦してもらうなど、好奇心をくすぐることで、学習に張り合いが生まれるように思います。  


・言語活動を豊かにするサポートを。   

ワーキングメモリが高いのにVCIが著しく低い場合、今まで何らかの理由で十分な言語活動や教育を受ける機会を失っていた可能性もあります。映画や本など、本人の興味のある媒体や、講師との積極的なコミュニケーションで、言語活動を盛り上げてあげましょう!だんだん言葉が豊かになってくることでしょう。    




臨床心理士・公認心理師 堤 梨乃

SMK 薄井 晶





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