WISC 生徒の対策と講師のサポート ① 全検査IQ(FSIQ)が弱点
WISC 生徒の対策と講師のサポート ① 全検査IQ(FSIQ)が弱点
全検査IQ(FSIQ)が弱点
(=FSIQが低いこと、つまり平均以下にあたる場合を想定しています。)
〇こんな傾向はありませんか?(こういうところが見られたら当てはまるかもしれない)
・学年相応の勉強についていけない
・努力をしているにも関わらず、それに見合った成果が得られない
・いわゆる不適応な行動(例:登校しぶり、対人トラブルを抱えやすい)、あるいは不適切な感情表現(例:カッとなりやすい、閉じこもりがち)が見られる
〇説明
【WISCとは?】
WISC(Wechsler Intelligence Scale for Children:通称ウィスク)とは、5歳0か月から16歳11か月までの児童生徒を対象にした、知能検査のひとつをいいます。古くは、今から約80年も前に、アメリカで開発され、その後まもなく日本語版が作成されました。私たちを取り巻く文化や技術革新の変容にあわせて、これまでさまざまな改訂が行われ、現在ではWISC-Ⅳが広く多くの現場で用いられています。(以下、このWISC-Ⅳに特化した説明となります。)
【全検査IQ(FSIQ)とは?】
WISC-Ⅳで算出される、FSIQ(Full Scale Intelligence Quotient)とは、全体的な知的能力を推定した値をいいます。巷で言うところの“IQ”が、このFSIQにあたると考えて差し支えないでしょう。では、このFSIQはどのように推定されるかというと、次の4つの指標(=4つの知的能力)の推定値を算出し、それらを掛け合わせた結果の値として示されます。
※各指標がどのような知的能力を表しているかについては、次回以降で説明していきます。
【FSIQをどのように解釈するか】
以下のグラフをご覧ください。FSIQ:90~109の範囲が「平均」と分類されます。この“平均”について、少し説明を加えましょう。仮に、あなたと同年代の方をここに100名集め、同じくWISC-Ⅳ検査を実施したとします。そのうちの50名がFSIQ:90~109の範囲にあたるように作成されたテストなのです。つまり、全体のおよそ2人に1人のFSIQが90~109にあたるため、これを「平均」とするわけです。
このFSIQが平均を下回っている場合、一般に、何かしら“生活のしづらさ”を感じやすくなると考えられています。例えば、同級生と同様に勉強に励んでも、思うように成績が向上しなかったり、授業のペースについていけなかったり、あるいは学校そのものに通いづらくなってしまうこともあるかもしれません。
【注意点】
ただし、WISC-Ⅳの結果を解釈する際、FSIQなど数値だけで個人を判断することはあってはなりません。数値がまったく同じであったとしても、一人ひとり困っていること、悩んでいることは異なるはずです。
また、FSIQが低いという理由で、発達障害や知的障害などと決めつけることも、絶対にあってはなりません。個人の状態・状況に合わせた、具体的な関り方・支援の在り方を探るためのひとつの情報として理解していただくことを切に願います。
〇生徒の対策
①自分の「好き」を見つけよう!
例えば、国語の勉強と一口に言っても、漢字の読み書き、物語を読む、古語を覚えるなど、課題はさまざまありますね。最初からそれらすべてを完璧にしようする前に、あなたにとっての「好き」を探してみてはいかがでしょう。“好きこそものの上手なれ”、あなただけの「好き」を見つけることが、勉強の第一歩なのかもしれません。
②“わからない”と感じたことは、そっと誰かに聞いてみよう! 「
先生、わかりません!」と言うことは、少し勇気がいることかと思います。しかし、“わからない”をそのままにしていては、きっとまた次の“わからない”が出てきてしまいます。どんな些細なことでも、“わからない”と感じたら、身近な家族や学校・塾の先生、仲良しの友だちでも構いません。ちょっとだけ勇気を振り絞って、そっと「わからない」と伝えてみてください。きっと誰かがあなたの助けになってくれるはずです。
③集中しやすい環境づくりをしよう!
普段、学校の宿題・塾の課題は、どこで行っていますか?「実は、勉強机が漫画やお菓子で散らかっていて、ベッドで横になったまま宿題をやっています…」など、思い当たる方、案外少なくないように思います。これでは勉強が捗らないのも無理はありませんね。 まず、宿題を行う場所はここと決めましょう。何も、自室の机にこだわる必要はありません。リビングでも、お父さんの仕事机でも、できるだけ誘惑が少ない場所を選びましょう。ベッドは、宿題を頑張ったあなたを休める場所ですからね。
〇講師のサポート
①生徒の興味関心を見逃さないように!
生徒の対策①でも述べたように、国語の勉強といっても幾通りも考えられます。生徒個人によって「好き」例えば、文章を上手に読むことが難しい子でも、漢字の書き取りは「好き」であったり、物語の登場人物の心の動きがなかなか理解できなくとも、物語自体を暗記していたり。生徒の「好き」は見逃さないよう心掛け、見守り、積極的に伸ばしていくことが望ましいでしょう。
②各指標の差にも留意します。
FSIQの高い低いよりも、どの指標が高く、どの指標が控えめで、したがってどういう対策をしたらよいのかを考えることこそこの検査の意義があります。
③導入時とは得意なスキルで、苦手なスキルは定着のために使おう!
学習事項の導入時には指標の数値の高いスキルを優先して用い、低いスキルは補助的に用いて指導します。指標の数値の低いスキルも避けるのではなく、理解した事項の補強・定着のために用いてそのスキルの底上げも図ります。
臨床心理士・公認心理師 堤 梨乃
SMK 薄井 晶
発達障害・学習障害の生徒の勉強方法ならSMK
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