発達障害がある(といわれている) ADHD 方法④ 授業中に突飛な行動・言動をする
SMKのお悩みポイント対策
発達障害がある(といわれている)
ADHD 方法④ 授業中に突飛な行動・言動をする
(※ ADHDかASDかは絶対的な違いではありませんが、便宜上、わけて説明しています。)
・こんな傾向はありませんか?(こういうところが見られたら当てはまるかもしれない)
・授業中なのに突然別の部屋に行ったりトイレに立ったりして、そのまま何十分もこもって何かしている。
・頭に思い浮かんだ面白いことを大声で話したり叫んだりする。
・よくわからない理由で突然怒り出したり、責めたりする。
・椅子や机に土足で上がる。
・説明
会社での朝礼中、上から天井が崩れ落ちそうなのに気づいたら、「あぶない!」と声をあげますよね。でも壁から紙のポスターがはがれ落ちてくる程度なら、たとえ気がついても、何も言わないかもしれません。もしそのポスターがフレームに入っていて、当たったら誰かがケガをするかもしれなかったら、そのときはやはり声をあげるでしょう。
ADHDの特性の一つである「衝動性」のために、これらの危険の程度にかかわらず、衝動的に声をあげてしまうといったことが起こりえます。また、ADHDのもう一つの特性である「多動性」のために、注意が他に移りやすく、他の人が注意を向けないことにもすぐに気づいて、みんなに知らせたいと思ってしまうのかもしれません。
この「突飛な行動をする」という問題は、実は、それほど単純ではないかもしれません。というのも、このような発達障害特性の他にも、いくつか別の理由が考えられるのです。
たとえば、もしかしたらその子は周囲の注目を浴びたいという欲求が抑えきれないため、チャンスがあったらすかさず実行に移しているのかもしれません。何かストレス(たとえば家庭内不和など)がある子どもに見られやすい行動です。
あるいは、以前、何かとても怖い経験をしていて(トラウマと呼びます)、それに似たような刺激が少しでも感じられると、思わず、何かの行動を起こしてしまうということがあります。たとえば大震災や事故にあっていたり、虐待を受けていたりする子どもに見られます。
あるいはこれらが組み合わさった理由から、そのような行動を起こしていることも考えられます。発達障害のため、ストレスの影響を受けやすくなるからです。 これらのそれぞれで対処法は異なってきます。もし発達障害特性によるものであれば、穏やかに注意(「それ、あとでね」など)をすれば、たいてい、ハッとした顔をして、すぐにやめるだろうと思います。
もし周囲の注目を浴びたいための行動であれば、可能であれば無視したいところです。たとえ叱責でもいいから注目されたい、と思っているのだからです。かまってしまえば、さらにその行動を強化してしまいます。ただ、その子の抱いているストレスには何らかの対処をする必要があります。一概には言えませんが、後で落ち着いたところで「最近、どう?」などと聞いてみるのもよいかもしれません。
もしトラウマの影響であれば、激しい叱責は厳禁です。さらにトラウマを重ねることにもなりかねません。
いずれにせよ、叱責は得策とは言えません。穏やかに注意をし、授業中は勉強をする時間だというルールを確認し、本人もまわりも安心感をもって過ごせるように支援していきましょう。
・生徒の対策
①周りの人をびっくりさせないようにね。邪魔をしてしまったと思ったら、謝ろう。
②ルールは守らなければならないもの。終わるまでがまん。
③時々伸びをしよう。
④もしつらいことがあるのなら、信頼できる大人に相談してみよう。担任の先生が話しにくければ、保健室の先生はどうかな。あるいは塾の先生の中に、話を聞いてくれそうな人はいませんか。大人なら誰でもいいというわけにはいかないところがむずかしいですね。
・講師のサポート
①休憩時間を作る。ルールがあることを、理詰めで説明する。
②授業時間を分割し、生徒の興味を引く導入を都度行い、作業時間を多めにする。
③何と何と何をやるというように、課題の見通しを立ててあげる。
④できるときに、できることをやる。少しずつ、根気強く。出来るようになったことを最大限に褒めてあげる。
⑤叱責しない。トラウマやストレスがある可能性を常に考慮し、穏やかに接する。安心感をもって過ごせるよう支援する。
・役に立ちそうなリソース
・タッピング:ストレスやトラウマがある人におすすめです。両手を軽くにぎり、お腹の真上、肋骨(ろっこつ)の一番下の骨のあたりを、左右交互にトントン…と数回から十数回、軽く叩きます。その後、肩が上がるぐらい大きく息を吸って胸をいっぱいにし、「ハーッ」と吐きます。これでかなりスッキリすると思いますが、続けて何度かやってもいいでしょう。何か嫌なことが思い浮かんだときにやってみてください。慣れたら授業中でも小さい動きならできますよ。(杉山登志郎著『発達性トラウマ障害と複雑性PTSDの治療』(誠信書房)から多少アレンジしています。)
愛知東邦大学 人間健康学部 教授 松尾香弥子
SMK 薄井晶
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